腰痛を誘発する要因

【椎間関節性腰痛】

【筋・筋膜性腰痛】

【変形性脊椎症】

【姿勢性腰痛】

【脊椎すべり症・分離症】

【腰椎椎間板ヘルニア】

【圧迫骨折】

【内臓性腰痛】

椎間関節性腰痛

椎間関節性腰痛

一般的には「ギックリ腰」と呼ばれる症状。

腰椎の椎間関節に捻挫が起きた状態です。重いものを持つ、急な動きで関節に炎症が起きる、関節を包んでいる関節包が断裂、関節裂隙に食い込むことで激痛を引き起こします。
また、加齢による変性が起きると変形した腰椎が周りの組織にストレスを与え、炎症を起こします。これによる慢性的な腰痛を引き起こします。
また、炎症が慢性的になってしまうと関節周囲の組織が脆弱になり、簡単にぎっくり腰を起こすようになります。椎間関節性腰痛が起こりやすい場所は、腰椎の4番5番の間、腰椎の5番と仙椎の1番です。

腰部の捻挫ですので、炎症が取れると痛みは早く解消します。激しく痛みがある場合は局所の安静を保つのも大事ですが、少し動けるようになってからはなるべく動くようにしてあげると早く回復します。鍼灸施術は炎症を早く治めることができるのでケアの一つとしてもお勧めです。

※初期の激痛の頃は無理に動いて通院せず、動けるようになってからの来院をお勧めします。

筋・筋膜性腰痛

椎間関節性腰痛に次いで、「ギックリ腰」の原因となる症状です。

脊柱起立筋と呼ばれる背骨の両サイドの筋肉や筋膜が硬くなっている所を、急に伸ばされたり強い筋力が作用してしまうと部分的に断裂を起こしたり、炎症を起こすことで痛みが発生します。筋・筋膜性腰痛が慢性化してしまうと循環障害を起こしてしまい、局所の結合組織や筋膜の肥厚が起きます。また、その肥厚の影響で循環障害が悪化するという悪循環に。痛みは広範囲に広がります。腰が重いな…と感じたら早めの処置をお勧めしています。

変形性脊椎症

40代以上に見られる慢性的な腰痛です。

レントゲン画像で見ると腰椎に変形が起きているのが特徴です。ただし、画像で変形があっても、それが痛みの原因となっているとは限りません。変形している腰椎の椎間板の退行変性や椎体内動脈の循環障害、椎間関節の老化による椎間関節症、脊柱の不安定性に基づいた周囲の靭帯や脊柱起立筋の緊張による痛みなどがあると言われています。その病態に応じた施術が必要です。

姿勢性腰痛

姿勢性腰痛

日常生活の不良姿勢が原因となり起こる腰痛です。

一般的にソファーなどにだら~んと浅く座っている状態(腰の骨が丸まっている状態)です。腰の骨が丸まっていると、その周りの筋肉が引き伸ばされ筋肉の緊張が続き、疲労のためにコリや痛みが発生します。このコリにより筋肉の血液循環が悪くなり痛みが増強し、その痛みでまた筋緊張が酷くなるという悪循環を招きます。
背中が丸くなった状態で脊柱の前弯が強くなると、椎間関節に負担がかかり、椎間関節に障害を起こします。
この腰痛の特徴としては、鈍痛・ツッパリ感・腰部の倦怠感といった耐えられるレベルの痛みや怠さなので放置されがちです。持続性の鈍痛も放置しているとギックリ腰やヘルニアを誘発しますので、違和感を感じたら早めのケアが大切です。そして生活習慣の改善も必要となってきます。

脊椎すべり症・分離症

すべり症は椎骨が正常な位置から前方に移動している状態です。すべり症は、分離すべり症と仮性すべり症に分類されます。分離すべり症の場合は、椎体と関節突起の間で疲労骨折が伴っています。仮性すべり症は、分離が伴っていないにも関わらず椎骨が前方に滑ってしまっている状態。分離は若年層でスポーツをしている方に多く見られ、仮性すべり症は中年以降の女性に多く見られます。椎間関節の不安定性や関節周りの組織の知覚神経を刺激して椎間関節性疼痛を引き起こすと言われています。背骨を見ると階段状変形と言われる所見が特徴的に見られます。

※すべり症や分離症が画像所見であったとしても無症状の方は沢山いらっしゃいます。

画像所見に関わらず、真に痛みの原因となっている物を見つけて治療していくことが大切です。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

ヘルニアとは:脱出という意味。腰椎の椎体と椎体の間には椎間板という繊維でできたクッションがあり、その中に髄核というベアリングの役割をするものが入っています。その椎間板の繊維輪が割けて中の髄核が外に飛び出した状態が椎間板ヘルニアです。
椎間板ヘルニアには段階があり、最初は椎間板の膨隆から始まり繊維輪が圧力に耐えられなくなり表面が割けるまでが椎間板症と呼ばれ、この時期が一番腰痛が強い時期です。むしろ髄核が外に飛び出してしまうと、腰痛をあまり感じなくなり、その代わりに坐骨神経痛が起きてきます。脱出した髄核が完全に分離してしまったり、坐骨神経を圧迫して歩行困難な状態や、膀胱直腸障害が起きてしまうと病院で手術が必要となってきます。

鍼灸治療で対応できるのは、椎間板症辺りまで(脱出していても分離していない状態)、または手術後の後遺症を楽にするケアです。なので、症状が悪化する前(手術適応になる前)の段階でケアしていくことが大切です。早めのケアで手術を回避できた方も沢山いらっしゃいます。
手術後に痛みや痺れが楽になっていても腰が完全に正常な状態に治ったわけではありません。無理を続けると再び激しい痛みや再手術になってしまう方も…。生活習慣の改善をしなければ、手術前と同じように腰に負担をかけ続けることになります。そうすると、手術した部分はとても脆弱になっているため、その他の部分がカバーしようと酷使されます。それにより、また別の部分の痛みや炎症、新たなヘルニアを誘発させることに。

痛みを感じる場合は早めのケア&生活改善が大切です。もも鍼灸院では、日常生活で気をつけて頂きたいポイントも施術後にお伝えしております。

blog:腰椎ヘルニア症状改善例

圧迫骨折

圧迫骨折

圧迫骨折は、高齢の女性に多くみられます。基本的には骨密度が下がっている状態で、尻餅をついて椎体(背骨)に衝撃が加わり潰れてしまう状態です。骨密度が非常に低い状態だと、尻餅などが無くても軽い日常動作だけでも負荷がかかり骨折することもあります。いわゆる「いつのまにか骨折」です。やはり骨折なので非常に痛いです!胸椎と腰椎の境目に一番起きやすく、腰といっても上の方(背中に近い)の痛みです。圧迫骨折は大体3か月ほどで痛みは取れてきますが、それまでの期間で痛みを緩和するケアを鍼灸で対応することも可能です。治るまでの期間も早まります。
病院での処置と併せて、鍼灸施術でのケアもぜひご利用ください。

内臓性腰痛

内臓性腰痛

内臓性腰痛は、内臓疾患が元で起こる腰痛です。これは基本的に安静にしていても痛みに変化がない、夜中に痛む、痛みが日々酷くなっていく、腰痛以外に体調の変化がある、などの事があると内臓性腰痛が疑われるので早めに病院での精密検査をお勧めします。悪性腫瘍でもなりますし、腎臓結石や尿路結石、消化器系の病気でも起こります。(消化器系、泌尿器系、婦人科系、循環器系で起きやすい)

重篤でない内臓性腰痛であれば、鍼灸でも対応可能ですが、まずは病院でしっかりと精密検査や診察を受けて頂くことが大切です。

【まとめ】

✓「腰痛」といっても、局所に原因があるものばかりではありません。
✓その痛みの原因がどこからくるものなのか?を見極めることが必要です。
✓発生原因を治療していくことで「腰痛」も楽になっていきます。
✓内臓から来る腰痛は早めに病院を受診し精密な検査を!

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